日本財団 図書館


 

はじめに

 

「青年の家の現状と課題」第25集をお届けいたします。
今回のテーマは、“より魅力ある施設を目指して”です。
昨今の社会の変化に伴って青年の家の在り方も新しい時代に即した変化が求められています。平成7年の「国立青年の家・少年自然の家の在り方に関する調査研究協力者会議」より『国立青年の家・少年自然の家の改善について(報告)』では、より魅力ある施設に生まれ変わるための方向が示され、平成8年4月24日には「生涯学習審議会」より『地域における生涯学習機会の充実方策について(答申)』で、多様化・高度化する学習ニーズヘの対応、組織運営の活性化を進めるための必要な施策が提言されました。また、平成8年7月19日に出された『中央教育審議会第1次答申』では、『子どもに、生きる力とゆとりを』が強調されています。また、全青協では、「公立青年の家の在り方に関する調査研究協力者会議」が発足し、公立青年の家が、より魅力ある施設となるための方向性を探り、3月末には今後の在り方についての報告が示されようとしています。
このような教育界の動きの中で、「国立青年の家・少年自然の家の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告にある3本の柱(?@青少年の自主性を育てる?A学社融合を目指して?B地域の中核に)は、国立の施設に限らず全国の青年の家の目指す共通の方向性ととらえることができるでしょう。
この方向性が示されてから1年余りになりますが、全青協各加盟施設でも、様々な課題に取り組まれていることと思います。
今回から装いも新たに、装丁をA4版といたしました本書第1章では、「新しい施設運営の視点」として学識経験者3氏にご執筆いただき、第2章では、一加盟施設のご協力により「より魅力ある施設をめざした」取り組みの事例として“より魅力ある施設を目指して”をタイトルに多様なニーズヘの対応・柔軟な施設運営・施設設備の充実・活動プログラムの開発・学校教育との連携・施設とのネットワークの形成・職員研修の充実等々を掲載いたしました。第3章は、有識者それぞれの立場から、「青年の家への期待」というテーマで7氏よりご意見をいただきました。第4章では、「青年の家将来考」と題して21世紀における青年の家の在り方について考察してみました。
これらの内容が、加盟青年の家の管理運営や事業推進の一助ともなれば幸に存じます。
本書刊行のためにご協力いただいた先生方、加盟施設の皆様に厚くお礼申し上げます。
最後に、本書は財団法人日本船舶振興会の助成により刊行されたものであることを申し添え、ここに厚く感謝の意を表する次第です。

 

平成9年3月
社団法人全国青年の家協議会
会長内田忠平

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION